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6.ラウレアの巻き
春は日本では卒業、入学の季節です。イタリアは学期の始まりは大概10月ですが、大学生は一斉ではなく個人個人で卒業していきます。3月は卒業する人が多いようで、毎日のようにお祝いしている人達を見ました。今回はイタリア、トリエステでの大学の卒業について書きたいと思います。
イタリアでは大学を卒業するとラウレア(laurea、学士号(理系の場合日本の修士号にあたいする))といいますが、ドットラート(dottorato)とも言います。もちろんその後にドクターコースもあるのですが、大学学部を卒業しただけの人の称号も、ドットーレ(Dottore(男),Dottoressa(女))と呼ぶので、紛らわしいです。これはイタリアでは博士号というものがつい最近まで無かったことに起因します。本来「博士」に使うべき単語「dottore」を「学士」に使ってしまったため、「博士」に相当する単語がなくなってしまったのです。
やはり日本のように卒業研究について発表をして教授に許可をもらい卒業できるのですが、人それぞれ日付が違います。
卒業する日に、友達をたくさん集めてちょっとしたお祝いをして、その後に改めて家族などたくさん人を呼んでレストランなどで大きなパーティをするのが通常なようです。イタリアではお祝い事はめでたい人がシャンパンなどを用意して、人を集めるという日本とは正反対の仕組みになっています。この大学卒業も例外ではなく、まずはシャンパンで乾杯、あとは騒いでいます。ちょっと遅めのカルネバーレ(カーニバル)のように、仮装している人もいれば、裸になっている人もいて、日本の成人式で羽目を外して目立ってしまおうという人たちと全く同じです。
卒業する人は、月桂樹の冠(corona d'alloro、右の写真)をかぶっています。花屋で売ってるのかと思ったら、両親が作ったりもするとか。月桂樹は「栄誉」とか「名誉」の意味があるようです。時々頭には大きすぎるくらいの月桂樹の輪を持っている人もいましたが、それは戦没者などに捧げるもので、勘違いだと言う人もいました。
ここで面白いのが、誰からともなく歌い出すお祝いの歌です。歌詞は「Dottore, dottore, dottore nel buso del cul, vaffancul, vaffancul.」。簡単なメロディーですぐに覚えられます。(「ソ、ソーー、ミーソ、ソーー、ミーソ、ソラソ、ファミレ、ドミミ、ドミミ、ド」見にくいですが、3拍子、小節ごとに区切ってみたので分かってもらえるかしら?)これはこの地方の方言だという話ですが、ベネチアでも同じ歌を歌うという話です。busoは「穴」、culは「お尻」。vaffanculは「vai a fare in cul」が短くなった形のようで、悪態をつく言葉のようです。この部分の訳はニュアンスが難しいので書かないでおきましょう。下品な歌のようですが、卒業してめでたい人をからかってお祝いしようというところでしょうか。みんなで大合唱しています。
結婚式では白い砂糖菓子を使いますが、卒業式では赤い砂糖菓子(confetto)を食べるようです。
イタリアは若くであまり結婚しないので理由を聞いてみたら、大学卒業、仕事を探す、就職するそして安定してから結婚するから遅くなると言っていました。就職活動は人によりけりでしょうが、卒業が一斉ではないと就職の始まりの足並みも揃わず、難しそうだなと個人的には感じました。もちろん今の日本同様就職難ということもあるのでしょうが。