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5.オスミッツァの巻き

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今回はお食事処について書きます。ご存知かとも思いますが、イタリアでは「リストラーンテ(ristorante)」は少しお高めのお食事する所で、店の人が蝶ネクタイをしていたりして、入るのに服装も気にしてしまいます。チップも気にしないといけません。「トラットリーア(trattoria)」は少し安く庶民的なお食事をする所で気楽ですが、メニューがなく口頭だけだったりもして、そういう時は注文が難しかったりもします。もうひとつ「オステリーア(osteria)」といって家庭料理のお店もあります。一見安いお店のようですが、「リストラーンテ」と同じような値段のお店もあります。最近は「リストラーンテ」よりも「オステリーア」の方が、「本当の料理を食べれる」ということで、逆に「お洒落」で人気なようです。
トリエステではもうひとつ「Buffet」と書かれた」お店に良く出会います。(「ビュッフェッ(最後にアクセント)」と読みます。)これはイタリアでは軽食を食べられるお店をさすのですが、トリエステでは単なる軽食屋さんではなく、集会場のように人々が話し相手を求めに集まるところです。平日の夕方や土曜日のお昼には、ここで、ビールやワインを飲み、さらに食事を取りながら語り合う人々が大勢います。地元の多くの人が「行きつけの店」として選ぶビュッフェは、「軽食」と言えどもその季節のとてもおいしい手作り家庭料理が用意されています。トリエステ家庭料理を食べようと思ったらビュッフェに立ち寄るのが実は一番良い方法です。

osmizza2 さて、今回のテーマ「オスミッツァ」ですが、これはトリエステ周辺のカルスト台地だけに限られたお食事処のようです。農家が一時的に開くレストランで、もちろん看板もありません。田舎道を車で走っていて、道端に木の枝が飾られていたら(上写真)、それは「オスミッツァ」がある印です。矢印にしたがって行くと、ワインを飲んで盛り上がっているお店を見つけることが出来ます(写真右)。郊外にしかないので、車がないとなかなか行くことはできません。基本的にそこで取れたワイン、ハム、チーズ、ちょっとした野菜だけの簡単メニューが中心で、パスタなんてものにはお目にかかれないお店もよくあります。つまりここで食べれるものは大量生産品ではなく、すべてまさに手作りの食べ物で、おいしいものばかりです。
さて実は「オスミッツァ」はイタリア語ではありません。「Osem」はスラブ語で「8」を意味します。(実はトリエステ周辺ののカルスト台地は今でこそイタリアですが、住んでいる人々はスラブ系で、スロベニア語を話します。)オーストリア統治下のこの地方は農家が食事処を出すのは禁止されていたらしいのですが、18世紀末に「農家は1年間に8日間だけお店を開くことを許す」という皇帝令が布告されました。これが「オスミッツァ」の始まりだそうです。もちろん今では8日間だけでなく、夏いっぱい営業している所がほとんどです。

sagra あと「サグラ(sagra)」といって夏の夜に開催されるお祭りがあります。これはイタリア語のようで辞書にも載っていて日本語にすると「収穫祭」です(右写真)。会場はふとした原っぱにたくさん机や椅子が並び、どこからともなくたくさんの人が集まってきて賑わいます。ここでもワイン、ビール、肉、フライドポテトくらいしかメニューがありませんがいつでも賑わっています。このお祭りはワインの品評会も兼ねているのが、人気の理由のひとつでもあります。周辺のワイナリーで作られたワインを飲み比べることができるのです。普段なかなか見つけられない地ワイン「テラーノ」もここにはたくさん置いてあります。
それから会場には必ずステージとその前に舗装された一角があります。このステージでバンドが生演奏して、その前で曲に合わせて踊ります。曲は「お年寄り向け」と「若者向け」が交互に演奏されますが、お年寄りの方がダンスは得意なようで、お年寄り向けの曲の時の方がダンスエリアは断然賑わっています。

agri1 agri2 もうひとつお食事処として利用されるのは「アグリトゥリーズモ(agriturismo)」です。「アグリトゥリーズモ」は日本でも随分有名になっていると思いますが、農家のホテルです。併設して食事処を持っているところも多く、そこでは宿泊客以外でも昼食や夕食をとる事ができます。(写真右)そこの農家で取れたものを中心にしたメニューで、旬の素材を使った、とても手の込んだおいしい地方料理を食べることが出来ます。
宿泊施設は農家の倉庫などを改造して部屋を作っているので広く、設備も新しいことが多いです。(写真左)場所によっては夕食、朝食を作ってくれてそこ名産のものが味わえたりもします。普通お店では買えないような上品質の名産品(ワイン、オイル、酢などなど)も売っています。かなり安いですし、自炊のできる台所もついていたり夜は星が楽しめたりもします。ただ、車で山奥まで行かなければ辿り着けない事も多いですし、長期滞在でないと駄目なときもありますが。


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